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早河洋社長 定例記者会見(7月7日)の要旨

※新社長としての抱負
早河社長
:「100年に1度」と言われる不況がテレビを直撃しているタイミング、また、半世紀続いたアナログから完全デジタル化を迎えるという歴史的転換の時、2008年度の決算が当社初めての赤字ということで、50年の歴史を経て初めて生え抜きの社長となったが、大変厳しい状況での就任となり、光栄な気持ちと同時に深い感慨、大変な緊張を感じている。この厳しい状況の中、テレビ朝日が業績を回復して、デジタル時代に生き残るためにも、2月に宣言した「改革断行」の計画をダイナミックにスピーディーに実現して行くことしかない。6月25日付でコンテンツビジネス局を組織し、人事異動も終了し、ワーキングスペースの移動も完了した。テレビを取り巻く環境が、もともと構造的に広告費の低減傾向があったところに、不況が襲い掛かるというダブルパンチを受けている。不況から仮に立ち直っても、広告費の横ばい、ないしは微減が継続して行くわけで、本業である視聴率第一主義を捨てずにコンテンツビジネスに注力していく。「改革断行宣言」は2年という「時限立法」となっているので、短期に成果を挙げたい。大会社病にならないよう、実質1,200人・2,500億円の売り上げという会社なので、全社一体となって行くしかない。社員に対しては、事務部門や現場との確執などやっている場合ではなく、互いに敬意を持った土壌を作ろうと言った。全社一体となった上で、この5~6年の勢いを持ってこの苦境を皆で脱却して行こうと言った。
※コンテンツビジネス局の狙い
早河社長
:当社は本来の営業収入が約8割強であり、それ以外のところであるコンテンツから派生する事業、いわゆる放送外収入については、ひとつのコンテンツをBS、CS、DVD、映画、携帯、ゲームなどにマルチ展開する。その組み合わせや順番を、企画の段階から優先度をつけて目的を持ってやっていく。具体的な例としては「相棒」が理想型である。映画、DVD、出版、グッズ、ゲームと多面的に展開している。ただ、これは結果論として、成功を収めたのであるが、今後は「相棒」という企画が来たら、どういう順番でどこに力点を置いて戦略的にどういうふうに展開して行くかあらかじめ決めてビジネスチャンスを捉えて行く。収益機会を最大にしていく。そういう考えを編成制作局とコンテンツビジネス局が表裏一体となって、この50周年記念企画で見せたような番組の制作力を背景に一気に上位に迫ろうというのがこの組織改革の最大のポイントだ。
※視聴率について
上松取締役
:4月クールは、全日が3位で7.7%、ゴールデンは民放3位で11.3%、プライムが3位で12.0%、プライム2が1位で8.9%。ゴールデンを見るとテレビ朝日は前年度比でプラス0.2ポイントとなっている。他局は全部下がっている。TBSがマイナス1.5ポイント、NHKがマイナス0.7ポイント。CX、日テレも全部下がっている中で当社だけプラス0.2ポイントとなった。水曜21時の「臨場」は全10回で平均が14.5%と高い数字となった。このクールの全局を通じた現代ドラマで4位の高さだった。また数字だけではなく内容も高い評価を頂いたと思う。木曜20時の「木曜ミステリー 京都地検の女」は全9回平均が12.2%だった。これは裏にCXの「アンビリーバボー」に加え、日テレが「ぐるナイ」、それからTBSの「フレンドパーク」も移動してきた厳しい中でのこの数字は健闘と考えている。木曜ドラマ「夜光の階段」は全9回平均で10.6%だった。金曜21時の東阪共同の「必殺仕事人」、これは1月クールから2クール連続で放送し、全22回の平均が11.7%と、金曜21時の枠では高い数字だった。金曜ナイトドラマ「名探偵の掟」は全10回平均が9.5%だった。7月クールのドラマが既に始まったのでご報告させていただく。水曜21時の「新・警視庁捜査一課9係」は初回が13.5%と、裏にTBSのドラマ「となりの芝生」の初回が来たがそれを上回るいいスタートだった。木曜20時の木曜ミステリー「科捜研の女」の第9弾、初回を2時間スペシャルで放送したが、15.9%と大変高い数字をいただいた。木曜ミステリーは1999年1月から始まったが、歴代41作品中、最高視聴率でのスタートとなった。金曜21時、東阪共同の「コールセンターの恋人」は初回が9.3%だった。大変面白いドラマなのだがまだ宣伝等が浸透しきれていない。もっと見ていただけるように頑張って宣伝していきたい。金曜ナイトドラマ「メイド刑事」は初回が9.5%、2回目が8.2%で平均8.9%。こちらは初の携帯、ネットでの有料配信を放送直後から行っているが、大変面白いドラマなので今後に期待している。                      
※今後の編成について
神山常務
:スポーツ物件では「全米女子オープンゴルフ」(7月10日~13日)。日本選手は宮里藍選手、上田桃子選手ほか7名が出場予定。「全英オープンゴルフ」(7月16日~19日)は片山晋呉選手、矢野東選手ほか8名が出場予定だが、特に石川遼選手に期待したい。またアメリカから参戦する今田竜二選手、それから今年初優勝した池田勇太選手の評判が高いと聞いている。「全英リコー女子オープンゴルフ」(7月30日~8月2日)は9名が出場予定。昨年活躍した不動裕理選手、宮里選手に加え、勢いがある諸見里しのぶ選手に期待したい。
「世界水泳ローマ2009」(7月19日~8月3日)。シンクロは平均年齢20歳という新生マーメイドジャパンが世界にデビューする。ソリストの足立夢実さんに期待がかかる。競泳は代表の名称が古橋廣之進さんにちなんで「トビウオジャパン」となった。37名が出場するが、この中では入江陵介選手に期待している。ポスト北島と呼ばれる立石諒選手、女子では寺川綾選手にも期待している。海外ではマイケル・フェルプス選手、韓国の国民的ヒーローのパクテファン選手の活躍も期待している。
このほか「熱闘甲子園」(8月8日~22日)を放送する。8月8日に日本のJリーグと韓国のKリーグのオールスター「JOMOカップ」がソウルで開催される。
※営業状況について
早河社長
:5月は、タイムはカロリーダウンが響いて前年から大きく下回った。スポットは当初厳しかったが予算を上回ることができた。前年の90%を少し欠ける数値である。地区のシェアは少し伸びて21.8%である。
6月は、タイムは「刑事一代」、「サッカーワールドカップ予選」の3試合、「全米オープン」があり、純増となる売り上げはあったが、単価がかつてより下がっており、結果的には苦戦を強いられた。スポットは当初見込みをクリアできる。
7月はタイムの空き枠がかなり増えているのが懸念材料であり、スポットも極めて軟調である。ただ、タイムは「全英オープン」に石川選手が出場することによってスポンサーの注目度が高まっており、セールス強化においてチャンスだと思う。「世界水泳」も目標を立てて、なんとかそれに近づけたい。スポットは7月初旬が少し良くなってきており、前年比80%台半ばくらい行けるのではないかと見ている。
※放送外収入について
上松取締役
:以前の「テレ朝bb」が6月25日に「テレ朝動画」と名前を変えて有料動画配信に本格的に取り組むことになった。第一弾として金曜ナイトドラマ「メイド刑事」を放送直後から有料配信している。これは業界初めての取り組みである。1話262円(税込)、全話パック1,575円(税込)。今のところ、まずまずのスタートである。携帯電子書籍サイト「テレ朝eBOOK」を5月25日のNTTドコモを皮切りに始めた。初期のコンテンツとして、「相棒」「臨場」「夜光の階段」「メイド刑事」、その他コミックを含めて1,000タイトル以上を配信中。月額315円ほかいろいろなプランがある。こちらは始まって間もなく、あまり知られていないが、「相棒」が一番多く出ているということである。
※完全デジタル化の動きについて
早河社長
: 5月が当社の担当月だったが、全部で125の番組に269回の告知を行った。昨年9月の担当月と比べて3倍である。特番も編成し、PRスポットも4月下旬からのカウントであるが、362本投入した。その結果、総務省の「地デジコールセンター」、いわゆる「デジサポ」に入った視聴者からの問い合わせが2万4,000件と過去最高を記録した。5月28日に「報道ステーション」が特集を放送したところ、1,500件という1日としては大変多くの問い合わせがあった。私どもの5チャンネル周知では、今回7月1日、2日、3日の3日間の調査で、チャンネル認知が54.5%となり5割を超えた。チャンネル番号が変わらない局との認知率の差がなくなった。局を挙げての積極的なキャンペーンの成果である。
※「金正雲氏とみられる写真」について
早河社長
:ひとえに入手先の確認取材というか、確認時の詰めの甘さというか、こういうことに尽きると思う。君和田前社長(現会長)が報道局長、ニュース情報センター長、外報担当部長に対して厳重注意を行った。また、再発防止策を緊急で作成させた。

以上
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