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NTTの10年3月期、コスト削減で横ばい確保

[東京 13日 ロイター] NTT(9432.T: 株価, ニュース, レポート)は13日、2010年3月期の連結業績について、営業利益が1兆1100億円になると発表した。景気低迷の影響で減収を見込むが、携帯電話のNTTドコモ(9437.T: 株価, ニュース, レポート)はじめ、固定電話、長距離・国際通信の各子会社でコスト削減を図り、前年比横ばいを確保する。

 ただ、年間配当は1株あたり120円として、前年実績から10円の増配とした。2009年3月期の営業利益の実績は1兆円を超えて、日本企業で最大になったもよう。

 今期の連結業績予想は、売上高が前年比1.1%減の10兆3000億円、当期純利益が、前期の税効果の影響がなくなることで同14.6%減の4600億円を見込む。営業利益予想は、トムソン・ロイター・エスティメーツによる過去30日間の主要アナリスト5人の予測平均1兆1833億円を下回る。

 すでに公表したNTTドコモの10年3月期の営業利益予想は8300億円。料金値下げなどによって2年連続の減収を予想するが、販売奨励金の引き下げや通信設備の投資一巡などでコスト削減を図り、前年並みの営業利益を確保する。このほかの連結子会社各社の営業利益予想は、NTTデータ(9613.T: 株価, ニュース, レポート)が、システム構築の苦戦から前年比8.7%減の900億円、NTTコミュニケーションズが同10.8%減の900億円、NTT東日本が同9.0%増400億円、NTT西日本が同35.6%減の50億円とした。

 NTTグループは中期経営計画で、2011年3月期に1.2兆円、2013年3月期に1.3兆円の営業利益を出す目標を打ち出している。

 <光回線2000万件の目標は先送り>

 将来的に固定電話事業の中心になるとされる光回線(フレッツ光)の2009年3月末の契約者は、NTT東西合わせて1113万件になった。今期は250万件上積みして1363万件とする目標。ただ、同日記者会見した三浦惺社長は「達成は難しい」と述べた。すでに、2011年3月期に2000万件にする目標は事実上、不可能とみられるが、三浦社長は、2000万件の達成時期を「できるだけ早期」として先送りする方針を示した。一方で、光回線事業を2012年3月期に黒字化させる計画は「コスト削減などで成し遂げたい」(三浦社長)として維持する。

 また、三浦社長は、今期は減収予想になることで「業績はよくなっているわけではない」としたが、今期の配当予想を増配することについて「子会社の配当収入が増えて、全体としての配当収入は昨年を上回るため」とした。今期の配当性向は34.5%になる見込み。
<日本企業で最大の営業利益に>

 2009年3月期の連結業績は、売上高が前年比2.5%減の10兆円4163億円、営業利益が同14.9%の1兆1097億円。携帯電話は減収増益となったが、固定通信、長距離・国際通信は減収減益だった。ただ、前期NTTの営業利益は、08年3月期に2兆円を稼いだトヨタ自動車(7203.T: 株価, ニュース, レポート)が営業赤字に陥ったことで、日本企業の中では最大規模の金額になったもよう。

 景気悪化や円高の影響で輸出企業が打撃を受けた一方、通信業は相対的に堅調だったことで「国内ナンバー1の営業利益」となりそうだが、三浦社長は「われわれも減収減益。業績がよくなったわけではない」と指摘した。

 (ロイター日本語ニュース 村井 令二記者)
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