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フジテレビ社長・亀山千広(57)(1) [フジテレビジョンネットワーク]

2013.8.19 03:16 [TV・ラジオ番組]

(松本健吾撮影)
 ■「発明」でメガヒット作りたい

 僕は静岡県三島市出身で、富士山の見える環境で育ちました。通っていた県立韮山(にらやま)高校の近くに、江川太郎左衛門(英龍(ひでたつ)、江戸後期の幕臣)の作った反射炉があって、よく部活でその周りを走っていた。太郎左衛門は台場を増築した人でもあり、僕がフジテレビの社長になったことに奇妙な縁を感じています。

 〈ドラマプロデューサーとしてヒットを飛ばし、平成15年に新設された映画事業局で局長を10年務めた。社長就任直前の5月には、製作に参加した是枝裕和監督の「そして父になる」がカンヌ国際映画祭審査員賞を受賞した〉

 フジテレビの映画事業にとって、今年はこの10年の集大成になりました。あくまで利益を上げることが命題ですが、人や意欲作に先行投資することもできた。その結果、「そして父になる」のような作品が生まれました。

 是枝さんは以前フジのドキュメンタリーを手がけていた。ドラマで縁のあった劇作家の三谷幸喜さんも「THE 有頂天ホテル」(平成18年)以降、映画監督としての「三谷ブランド」作りに理解を示していただいた。そうした巡り合わせが、映画事業を熱くしてきたんです。

 〈5月の記者会見では「視聴率回復」を最重要課題に挙げた。フジテレビは昭和57年から12年連続、平成16年から7年連続で民放視聴率トップを獲得してきたが、23年以降、苦戦を強いられている〉

 4~6月は「ガリレオ」などのドラマに支えられていい結果を出せましたが、7月クールは苦しんでいる。一方、テレビ朝日の好調が続いていたのに、7月は日本テレビが1位。TBSも「半沢直樹」のヒットで上がってきており、民放4局が僅差で並び始めています。この状況を、千載一遇のチャンスだと面白がりたい。

 現場と意見交換する機会を持つようになり、以前より、番組作りにおいていろんな分析をしたがる傾向が分かってきました。ただ、マーケティングだけでは明日何が当たるかまでは分からない。「発明」がないと視聴者は面白がってくれない。発明は失敗から生まれます。データや上の指示を聞くだけではなく、とことん意見をぶつけ合い、勘を養ってほしい。

 〈インターネットやスマートフォン(高機能携帯電話、スマホ)の普及など、テレビをめぐる環境は激変しつつある〉

 つい見てしまい、面白ければ少し得をした気分になる。それがテレビなのでは。僕は、媒体までの距離を取って、テレビを「3メートルメディア」と考えています。コミュニケーションを楽しむ携帯電話が3ミリなら、欲しい情報を探す活字メディアが30センチ、映画が30メートルメディア。その中でもテレビは、一度に何千万人もの注目を集められるメディアです。視聴者の「面白い」「やりたい」「行きたい」といった気持ちを盛り上げ、ムーブメントを起こせる。批判をいただくこともありますが、そうしたご意見を凌駕(りょうが)するようなメガヒットを作ることが重要だと思っています。(聞き手 山根聡、三品貴志)

                   ◇

【プロフィル】亀山千広

 昭和31年、静岡県生まれ。早稲田大政経学部卒業後、55年にフジテレビ入社。ドラマプロデューサーとして「あすなろ白書」「ロングバケーション」「ビーチボーイズ」「踊る大捜査線」などのヒット作を手がける。平成15年に映画事業局が新設されると局長に就任。映画「踊る大捜査線」や「海猿」シリーズ、「テルマエ・ロマエ」などを生み出した。執行役員、常務などを歴任し、今年6月、社長に就任した。

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