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ナ○入れOKのAV女優は昨年秋からボロボロだった

2009年07月03日10時00分 / 提供:ゲンダイネット

ゲンダイネット

 またもAV女優の覚醒剤事件だ。

 警視庁四谷署に逮捕されたのは女優の愛沢ひな(本名・行天佐知子)容疑者(24)。四谷署は愛沢が覚醒剤を使用しているとの情報をもとに、港区麻布十番の自宅マンションを捜索。注射針などを押収した。

 愛沢はキャバ嬢をしていたところをスカウトされて、06年に「モーレツ小悪魔☆毎日ハメハメハー」でデビュー。これまで十数本のAV作品を出している。

「有名人になりたいというより、純粋にセックスが好きだからAV嬢になったタイプ。だから現場ではいつも明るく、本番を楽しんでいた。美人すぎたせいか、人気では中堅どまりでした」(AV監督)

 実は愛沢は以前から奇行が目立った。あるAVライターが明かす。

「昨年秋、愛沢に会ったのですが、顔を見たとたん“これは何かをやってるな”と直感しました。話の途中にやたらキョロキョロして落ち着かない様子で、一言しゃべるたびにボーッと宙を見つめる。質問されてもすぐに答えられない。とにかく反応が鈍いんです。そのくせ、しゃべるときは妙にテンションが高く、しかも水をガブガブ飲んでいた。立ち上がるとヨロヨロして、マネジャーに支えられてやっと歩いてました。いま思えば、あのころからクスリをやってたのでしょう」

 昨年からボロボロ状態だった愛沢。これじゃAV復帰は無理だ。

(日刊ゲンダイ2009年6月30日掲載)


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拡大するエヴァ市場、ガイナックスに聞く 「ヱヴァンゲリヲンケータイ」とコラボ戦略の狙い

(日経トレンディネット - 07月03日 00:33)



NTTドコモの906iと706iシリーズ以降の端末に搭載されているダイレクトメニュー。シンプルな操作性が特徴だ。エヴァケータイではエヴァの世界観に合わせたデザインで搭載されている

 2009年6月27日、アニメ映画『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』が公開された。27〜28日の土日の動員数は35万人でランキングは1位。興行収入も5億円を超えるなど順調な立ち上がりを見せた。エヴァケータイについても限定3万台から3万7500台への増産が決定したものの、予約の殺到により既に入手は困難な状況だ。

【詳細画像または表】

 元は14年前に放送された比較的“マニアック”なアニメにもかかわらず、今なおファン層が拡大し続けている理由とは。また、NTTドコモの「ヱヴァンゲリヲンケータイ」などとの劇中コラボレーションや、金曜ロードショーでの放送、渋谷への展開、箱根観光マップの配布など、多方面でタイアップやキャンペーンを行う狙いはどこにあるのだろうか。

 今回、ヱヴァンゲリヲンケータイの開発秘話に加え、『新劇場版:破』を中心としたエヴァのコラボレーション展開について、ガイナックス統括本部の神村靖宏副本部長にお話を伺った。

 トレンディネットで既に掲載した下記の関連記事もチェックしておけば、より理解しやすくなるだろう。(聞き手/島 徹、酒井康治、文/島 徹)

「ヱヴァンゲリヲンケータイ」の発端とコラボの仕掛け

――NTTドコモでのインタビューでは、「ヱヴァンゲリヲンケータイ」の監修や企画においてカラー、ガイナックス、キングレコードの3社が関係しているというお話を伺いました。この3社は『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』やヱヴァンゲリヲンケータイについて、どういった形でかかわっているのでしょうか。

神村:庵野監督はもともとガイナックスに所属して、エヴァンゲリオンなどの作品を作り続けてきました。が、新劇場版の企画を開始するにあたって、全体をコントロールできるようにと立ち上げた企画・製作会社がカラーです。制作スタッフも庵野監督自身が新劇場版に合わせて集めています。

――アニメの制作だけでなく、権利や資金調達など製作についてもカラーが手がけているわけですか。

神村:資金調達や配給、宣伝まで含めてカラーが見ています。その辺りも含めてコントロールしたいというのが新劇場版の趣旨なので。新劇場版の版権についてもカラーが持っています。

 ただ、エヴァ関連の商品化やライセンスの扱いについては、新劇場版と旧テレビ版との混在は免れないですし、外部折衝も煩雑ですので、ガイナックスがテレビ版に引き続いて新劇場版についても商品化担当窓口になっています。

――ヱヴァンゲリヲンケータイの企画を立てられたのはキングレコードと伺っています。

神村:キングレコードさんを中心としたチームがドコモさんに対してコラボ企画を提案し、デザインやコンテンツの制作を請け負うという形をとっています。企画全体の取り回しとドコモさんへの納品についての責任はキングレコードさんに担当してもらっています。ガイナックスとカラーは企画・デザインの協力と監修という立場でかかわっています。

――キングレコードは新劇場版でも制作やDVDなどの販売で携わってますね。

神村:ヱヴァンゲリヲンケータイにかかわったのは、アニメの制作やDVD発売に携わっている部署とはまた違う事業部です。キングレコードさんには自社ライセンスを含めたCDやDVD以外の商品企画を行う部署があり、今回はそちらの部署の仕事ですね。エヴァに関しては今回、スニーカーの商品化なども手がけられています。

 この部署では既にエヴァンゲリオンの携帯音楽プレーヤーやヘッドホンといった音に関する商品を手がけられていて、携帯電話も音や音楽再生機能がありますから、そこをとっかかりにすれば、携帯電話もアリじゃないですかという話を前からいただいていました。そこがヱヴァンゲリヲンケータイの始まりですね。

神村:キングレコードさんより携帯電話の企画をいただいていたのですが、最初はなかなかドコモさんに持ち込むための糸口が見つかりませんでした。「アニメなんか……」と切り捨てられたらそれまでですからね。ですが、ドコモ社内にパイプのある知人がおりまして、そのルートから持ち込めそうだということになりました。彼にもチームに加わってもらい、キングレコードさんと話を持ちかけたわけです。結果的に、ドコモの神谷さんたちのようにエヴァンゲリオンを知ってくださる方々とつながることができ、これは行けるという話になりました。それが2年ほど前の話ですね。

――当初の話では劇場版とのコラボレーションは無かったと聞いています。

神村:そうですね、最初はキングレコードさんもソフトバンクさんが出されていた「シャアケータイ」と同じように、キャラクターや声優さんの音声素材が入ったエヴァンゲリオンの関連商品の一つとして考えられていたと思います。

 ですが、新劇場版のスケジュールとドコモさんと組むメリットを考え、カラー監修と劇中のプロダクト・プレースメントを含む正式なコラボレーション製品として企画を取りまとめました。携帯電話が劇中で使われることはわかっていましたし、エヴァンゲリオンとドコモという名前を並べられるなら、映画のプロモーションにも意義があると思いましたので。

――真正面から持ち込んで、すんなり決まったわけではないのですね。

神村:最初に話を持ち込んでからドコモさんのご担当には良い反応をいただいていましたが、劇中プレースメントを含む企画として承認が出るまでには様々な紆余曲折はありましたし、時間もかかってます。

 ドコモさんは組織ごとの仕切りがしっかりしているので、他の部署からの話は扱いにくいようです。ガイナックスでもiモードの公式サイトを以前から運営してますが、コンテンツ部から話を持って行ってもなかなか通らなかったかもしれません。今回は窓口を探ってもらえて、最適な方につなけてもらったからこそ、突破できたというのは確かですね。

――新劇場版と連動したタイミングも良かったのでしょうか。

神村:『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』の興行成績が良く、この数字を企画書に盛り込めたことでかなり説得力が増したと思います。あと、当時のNTTドコモの社長がエヴァについてご存じだったそうで……理解を得られるという意味ではそれも大きかったようですね(笑)。

ガイナックス側から見る端末開発秘話

――当初予定されていた限定3万台という数量、10万円近い価格についてはどうお考えでしょう。

神村:携帯電話の端末がどのくらい売れて、どのくらいでペイできるのかという点について我々はよくわかっていませんでした。ただ、他のエヴァグッズの盛り上がり方や、携帯電話という市場の大きさから、3万台はいけるだろうと判断しました。価格も本当は8万円辺りにできれば良かったのですが、いろいろ上乗せ上乗せで作ってしまったこともあるので……(笑)。

――メーカーや端末の選定にはかかわられたのでしょうか。

神村:メーカーや機種はドコモさんの選定です。映画の公開日と端末の発売日とすり合わせる問題もありました。当初は別の機種で作業を進めていましたが、映画の公開日が決定した時点でSH-06Aに変更しています。ただ、シャープさんでなければここまでやってもらえなかったでしょうね。シャープさんの担当の方がエヴァンゲリオンのかなりのファンで(笑)。

 端末のコンテンツを制作するにあたって、制作すべき内蔵コンテンツのリストや仕様書が必要ですよね。僕らは「起動画面の画像はこのサイズでフォーマットは……」といったものが来ると思っていた。ですが、先方から来た書類は「ここはネルフマーク、次はこのデザインで……」と、既に“ネルフ仕様”でした(笑)。

――日頃からヱヴァンゲリヲンケータイを想像していたのでしょうね。

神村:もう、作りたかったんだろうなーっていうのが、ひしひしと伝わってきました。僕らはこのまま何もしなくていいんじゃないかと思うぐらいで(笑)。実際、起動画面なんかはほとんどその案のままです。そういったシステムの深いところまで変えられたのは、シャープさんの担当の方の力によるところが大きいです。やりすぎの所も含めて(笑)。

――端末のデザインはどのように決まったのでしょうか。

神村:一番最初に、「ヱヴァンゲリヲンケータイといっても、二通りの考え方があります」提示しました。一つは、エヴァの世界のなかで実際に使われ得る携帯電話。もう一つはエヴァっぽさを全面に出したキャラクター商品としての携帯電話。どちらもあり得ると思います。前者だと劇中に登場させられるし、登場人物たちと同じものを手にする喜びがある。後者だとデザインの幅を広げることで「オシャレで格好いいケータイ」を目指せる。

 その結果、前者のコンセプトで進めることになり、こちらから現在の製品とはかなり方向性の違うデザインを提案しました。ですが、ドコモさんからの「軍用っぽいデザインで」との要望があり、それを基にカラーでデザインを起こし直しています。

――デザインイメージを変えてしまうと、劇中で違和感が出てきそうですが。

神村:カラーの側では常に劇中へ登場させることを優先してデザインしています。ですから、それに関しては全く問題ないです。

――ところで、最初のデザインというのは?

神村:もっと普通の携帯電話でした(笑)。中学生である主人公が持って違和感のないデザインですね。実は、その製品化されなかったデザインも劇中に登場しています。ぜひ劇場でチェックしてください(笑)。

――内蔵コンテンツの完成度もかなり高いですね。

神村:内蔵コンテンツはTGB disignさんとライトニングさんが手がけてます。僕が声をかけさせていただいて。これまでもドコモさんの格好いい端末のユーザーインターフェースや、ダイレクトメニューのデザインを手がけているチームですね。彼らにはパッケージや宣伝用インターネットサイトのデザインでもお世話になりました。

 TGB disignさんはこれまでにもエヴァンゲリオンのDVDや出版物のデザインもやっていただいていて。その流れで、私の方から「今度手がける携帯電話のパッケージやマニュアルを手伝ってもらえませんか?」とお願いしたんです。すると、「うちの連中なら中身のコンテンツも手伝えると思いますよ」と。この時はTGB disignさんが携帯電話関連のデザインワークでもトップランナーであることを、私は全然知らなかったのですよ(笑)。

 で、ドコモさんに「ご存じないかもしれませんが、TGB disignというチームに手伝ってもらうことになりまして……」と言うと、「TGB disignさんがやってくれんの!?」と驚かれて。もう、こちらはそういうことを本当に知らなくて……全面的な作り込みは当初からの方針でしたが、ここまでのハイクオリティは、実は企画段階にはなかったことなんです(笑)。

――専用に搭載された太明朝体フォントについてはいかがですか。

神村:今回、フォントは結構大きなポイントですね。テレビ版や新劇場版でも多用している「マティス-EB」というフォントを携帯電話用に調整したものです。メニューやメールの文字が全部太明朝体になるとくどくなるかなと思っていたのですが、結構読みやすくてホッとしています。普通のメールもマティスで読むと、不思議な緊迫感がありますね。

――箱もかなり凝ってますね。

神村:箱はかなり苦労してますよ。官給品らしさを出すためにわざと古紙のような素材を選んだのですが、素材の特性上、ドコモさんの定めた品質管理基準をなかなか通らなくて。付属の特別マニュアルもかなり苦労しています。

――ドコモで話を伺ったときもそうでしたが、開発メンバーの間では、かなり意識は共有されていたようですね。

神村:思いが一つというのはありました。みんなエヴァンゲリオン好きですし、自分が欲しい携帯電話を作ろうとしていました。想定ユーザーが明確なんですよ……自分自身ですから。そこは参加している全員、それほど軸がブレがなかったです(笑)。

 ただ、今回は携帯電話として何ができて何ができないのか、全くわからないところからのスタートで、最初はドコモさんやシャープさん側とのすれ違いもありました。ドコモさんからのレスポンスも、そんなに良くなかった。気分は一致しているはずなのに、具体的な作業をするための共通言語が少なかったのです。夜中に何時間も大声でやりあったこともありますよ(笑)。先方も前例のないことをやっていたので、五里霧中だったそうですが。

映像コンテンツ企業と携帯通信事業者の擦れ違い

神村:このコラボレーションで我々として歯痒かったのは、携帯電話の本体を作るプロダクト部と我々といった関係でしかコラボレーションを進められなかった点です。もう少しドコモさん社内における横方向での広がり、協力をお願いしたかったなと。僕らとしてはこの端末を機に、プロダクト部だけけでなく、iモードサービスを提供しているコンテンツ部や販売、プロモーション、マーケティングまで、ドコモのあらゆる部門でエヴァを使っていただきたかった。全ドコモショップに綾波の等身大スタンドを立ててほしかったわけです(笑)。

――きっと、盗まれちゃいますよ(笑)。

神村:まあ、大事に守っていただいて(笑)。我々もiモード公式サイトを運営していますし、エヴァの新劇場版公開に合わせて、多くのサイトと密接な連動キャンペーンを展開しています。ですが、それとこのヱヴァンゲリヲンケータイは今のところ連動していない。

――ヱヴァンゲリヲンケータイを購入するコアなファンを、iモード公式サイトへ誘導できないのはかなりもったいないですね。

神村:iモードの公式サイトでサイトで3万ユーザーといえば、かなりの優良サイトになると思います。この目の前にあるチャンスをなぜ生かそうとしてくれないのかと。実は今からでも、まだ仕込めることがないかと企んでるのですけど(笑)。

――ヱヴァンゲリヲンケータイのパンフレットを仮に100枚用意するとして、パンフ目当ての方がドコモショップに殺到する。それを宣伝機会ととらえて手を打つのか、それを異様な事態ととらえて傍観するかの違いですね。

神村:その通りです。キングレコードさんが新劇場版の宣伝窓口をされているのですけど、ヱヴァンゲリヲンケータイが発表されて、すぐにあちこちのドコモショップからたくさんの電話がかかってきたそうです。宣伝素材が欲しいと。こちらとしては、ドコモさんにお渡した素材をヱヴァンゲリヲンケータイに限らず、ドコモショップの集客ツールとして利用してほしかったのですが。お店側のニーズもあったのに、残念ですね。

 ドコモショップだけでなく、ドコモさんが提供されているiコンシェルやiアバターといった新サービスにも、エヴァを使っていただきたい。iコンシェルのひつじのしつじくんがコスプレしているんですが、これはすごくいいですよ。キャラクターなり情報なり、新サービスの中でエヴァンゲリオンを使っていただければ、サービスの認知度を上げることに力添えできます。我々としても露出が増えるのは純粋にうれしいですし、ドコモさんと組んでいるという事実はとても誇らしいことですからね。

 結局どれもこれも、こちらからもっと具体的な企画書を上げて提案しなければならなかったのだろうなと。今になってみれば思うのですけどね。

――ほかには、どんなチャレンジがありましたか。

神村:エヴァンゲリオンの商品化にかかわる活動の中で、「EVANGELION STORE」というオンラインストアがあります。全体から見ると一つの通販店舗ですが、エヴァンゲリオンの関連アイテムは、原則すべてこのストアで取り扱う。すると、エヴァンゲリオンファンは必ずここを見てくれる、そのお店で物を買うことがうれしい、そういったブランドショップに育ってきています。

――アップルで言う、AppleStoreの立ち位置ですね。

神村:目指すところはそうですね。そこでヱヴァンゲリヲンケータイを販売することは、エヴァンゲリオンのオフィシャル商品であることをよりPRできますし、こちらとしてもEVANGELION STOREの格付けをより強化できる。そこに商品を並べることも我々のサービスの一環なのですが、それをドコモさんに理解していただくのは大変でした。

――結果として、エヴァンゲリオンストアでも携帯電話事業者としてはかなり異例となる、契約無しの“白ロム販売”が実現しました。

神村:最終的には神谷さんに頑張っていただいて、白ロム販売という例外的な事を認めていただけました。そこは我々非常にありがたかったと思っています。ただ、販売台数やアピールの仕方についてはなかなか厳しいものがあります。ここまで思い切ったことができるのであれば、もっと生かしてほしかったなと。

 我々としてもこういった経験は初めてなので、後になって「あーこれやっときゃよかった、こういうやり方じゃなきゃ駄目だったんだ」とわかってくるんですよ。でも、なるべく最後まであがいてみたいですね(笑)。

――ドコモに限らず、日本のケータイ業界は携帯電話会社が動かない限り、新しい取り組みもなかなか進みづらいです。

神村:NTTドコモさんほどの企業でエヴァンゲリオンを使っていただいたのは、かなり大きな事件だと思います。それなら、もっと外からの無茶を聞く、閉塞感を吹き飛ばす度量も持ち合わせてほしい。我々としても、せっかくエヴァンゲリオンとドコモというパイプが開いたのだから、このヱヴァンゲリヲンケータイがゴールではないと思っています。

 新サービスのキャラクターにエヴァも使ってみましょうとか。綾波にドコモダケのコスプレをさせてもいいわけですよ。

――えっ、いいんですか?

神村:いいですよ。全然OKです(笑)。

エヴァが劇中コラボレーションを展開する理由

――ヱヴァンゲリヲンケータイのような劇中コラボレーションといえば、98年に公開された旧劇場版のUCC缶コーヒー、通称「エヴァ缶」が印象に残っています。 市販品とのコラボレーションを展開されるのにはどういった理由があるのでしょう。

神村:劇中に市販品を出すのは昔からですよ。88〜90年のOVA作品『トップをねらえ! 』でも、主人公のいる部室にUCCのロゴ缶があったりします。

 これは純粋に表現手法の話です。アニメは記号の世界ですから、リアリティを上げるには現実のものを取り入れるのが効果的な方法なんです。いくらがんばって新しい缶のデザインを考えても、実際の製品のリアリティにはかないません。

 そういった表現はテレビ版エヴァンゲリオンにもあって。ヱビスビールやUCCの缶を入れてみたり、実在の自動車を走らせてみたりとか。そこはテレビで流すにあたって“えびちゅビール”になったりしたのですが。単にそういった表現手法を貫いていただけなんですよね。

 それで、UCC側の広告代理店の方がそこに気が付いてくださって。97年の劇場版の時に「エヴァ缶やりましょう!」という話になりました。キャンペーンも実施して、結構いい成績を残せたんですよ。今回も新劇場版を発表したその瞬間、前回と同じ担当の方が「やりましょうUCC! エヴァ缶もっかいやりましょう!」とものすごい勢いでやって来られまして(笑)。早めのタイミングで余裕のある時期に動けたので、イラストを腕のいい作家さんに発注できました。なので、UCC向けの絵柄はどれもいいんですよ(笑)。

――ほかにもローソンやパナソニックのLet's noteなどともキャンペーンやコラボレーションを行われてますね。次回作では「nikkei TRENDYnet」も、どこかに露出させてくださいよ(笑)。

神村:もう少し早かったらなあ……。実は日経新聞はテレビ版の最終話でゲンドウが読んでますよ。あれは僕が貼り込んだんですけど(笑)。それじゃ、次の機会には日経さんでキャンペーンを張っていただくということで(笑)。

――ですが、ライセンス商品やコラボレーションとなると、版権料はかなり高くなるのでは。

神村:そうでもないと思います。値段交渉などはあまりしてません。「御社のお財布やプライドに応じた額で結構です」と(笑)。こちらとしてはエヴァを使っていただいて、話題性や相乗効果が出ればありがたいことなので。これまでも、金額を判断基準にしたことはないと思いますよ。

――エヴァほどのキャラクターとなると、コラボレーションが難しいのではという先入観もあります。

神村:コラボレーションの反響として「よくエヴァンゲリオンとコラボできましたね」という言葉を聞きます。でも、僕らはそんな大仰な相手ではないですよ。むしろ、来る者は拒まずです。

 もちろん、コラボレーションした各業種の競合他社さん、特に食品や飲料業界は難しいと思います。でも、僕ら側ではあまり気にしていないのですね。お菓子とかまだ空いてますよ。○○○○とかこないかなー、○○○○と仲良くなりたいなーと(笑)。

――ただ、コラボレーションはエヴァだから売れるという一方的な関係では成り立ちませんよね。

神村:ドコモさんのヱヴァンゲリヲンケータイについても、エヴァンゲリオンとコラボをやるのなら頑張ってもらわなきゃというのはありました。だからこそ、新作映画とのコラボレーションを押し売り気味に仕込んだわけでして。

コア層から一般層へ、ファン層拡大を進めるエヴァのイメージ戦略

――新劇場版のDVDは好調ですし、Blu-ray版は史上最高の初動売り上げを記録しています。今度、日本テレビの「金曜ロードショー」で『新劇場版:序』を放送されるそうですが。

神村:DVDやBlu-rayの発売元であるキングレコードさんは、新劇場版の制作や宣伝に協力されています。その連動効果も大きいでしょうね。

 金曜ロードショーは由緒ある番組ですから我々もうれしいです。あの枠でジブリ作品以外のアニメが流れるのはかなり珍しいことですよね。エヴァのことだけではなく、アニメ全体の今後のためにも、視聴率が伸びるといいなと思ってます。日テレさんには深夜のテレビ版再放送を含め、いろいろと盛り上げていただいてます。

――テレビでの放送により、どういった広がりを期待されているのでしょう。

神村:エヴァンゲリオンというタイトルや、アスカ、綾波の名前は知っているけど、内容はお兄ちゃんが見ているのを横でちらっと見ていただけといった人は多いと思います。そういった方たちに見てもらう良い機会になるのではないかと。DVDを買ったりレンタル店で全巻借りていただいているコアなファン以外へ、もっとアピールしていきたいのが今思っているところです。

 僕らの世代(60年代生まれ)はオタクであることをステータスと感じると同時に、世間に対しては非常に後ろめたい世代です。ファッションとも縁遠くて、原宿や渋谷はどちらかというと苦手な街のイメージだったわけですよ。ですが、エヴァにはオタク的な部分から抜け出してほしいというのがあるわけです。なので、僕個人としてもオタク的なイメージから離れた原宿や渋谷の層がここ数年の攻略目標でした。

 で、ここ最近ではそれを結構達成できましたね。109のギャルズファッションやBEAMSさんとコラボをやったり、シルバーのアクセサリーも質の高いところと組んでかなり人気商品になってます。今度の『新劇場版:破』では、109-2でも展示を行ってます。

――当時のファンだけでなく、より若い世代や一般層にも浸透しつつあるわけですか。

神村:僕の前任者が頑張り続けたのもあると思います。テレビや映画といった新作映像のない時期でも、ゲームやフィギュアを頑張って出し続けてきた。そうして話題を維持することで、LDやVHSが下火になりDVD-BOXが出たときも、ちゃんと売れるようになる。多くのファンが支持してくださっているのは、もちろん「本物」であるところの映像作品そのものですが、その「本物」を観るきっかけや、好きでい続けるためのツールとして、いろいろなアイテムがあることは肯定的に考えています。

――その一方で、箱根のエヴァンゲリオンマップやヱヴァンゲリヲンケータイは、20代後半から30代前半向けの企画ですね

神村:私も配布開始日に現地へ行ったのですが、平日の金曜日朝早くから大勢並ばれていたのでビックリしました。さらに、半数が女性だったのにも驚きましたね。

――テレビ版と同時期に開始した漫画版の連載も続いてます。

神村:休載も多かったですが……。今度掲載誌を「少年エース」から「ヤングエース」に移して連載を再開します。ぜひそちらにも注目してください。

 エヴァンゲリオンに関してひとつ言えるのは、オタクやマニアのためのアイテムとしてだけでなく、世の中にあって違和感のないもの、ベーシックなものとして認知されつつあるのかもしれません。だとするとたいへんうれしいことなのですが。

――ガンダムやウルトラマン、仮面ライダーといった位置ですか。

神村:そうですね。もう少し頑張れば2世代コンテンツになれるかなと。

ヱヴァンゲリヲンケータイ的『新劇場版:破』はココに注目!?

――話を戻しまして。ヱヴァンゲリヲンケータイの発表後、社内外でどういった反響がありましたか。

神村:僕も現在、宣伝と称してこれ見よがしに使わせてもらってますけど、見た人触った人の評判はいいですね。中身の作りこみをここまでやっているところに驚いてもらえる。

 発表したときも、「いつかヱヴァンゲリヲンケータイをやると思っていたけど、それがドコモとは思わなかった」という反応が多かったですね。そこはドコモさんと組んで、本当に良かったですね。

――ガイナックスやカラーで一番評判が良かったのはどこでしょう。

神村:音ですね。着信音です(着信音を鳴らして)。わかりますか?

 これは劇中にも出てきます。で、わかる人はわかるある音が元ネタなんですよ(笑)。

――ヱヴァンゲリヲンケータイは映画本編のどこに出てくるのでしょう?

神村:バリエーションも含め、何人かの主要人物がこの携帯電話を使ってます。劇場版のお楽しみで、探してみてください(笑)。でも映画そのものが大変な内容ですから、携帯に目がいくのは何度か見直した後かもしれませんね(笑)。

――ヱヴァンゲリヲンケータイの企画が再度立ち上がるとしたら、次はどういった内容にしたいですか?

神村:ドコモさんともしもう一度やれるなら、キャラクター商品として紫色の携帯電話をかっこよく作るのもアリかもしれません。次も官給品と言ったらファンの方に怒られるでしょう(笑)。時間があれば、デザインももっと頑張れます。

――序と破の間が2年ぐらいでしたし、同じぐらい開くのであれば機種変更の時期を考えても悪くないでしょうね(笑)。

神村:ただ、「破」と次の「急」は同じ一日の話かもしれないですし。話の中で時間がたってないのに、携帯電話が変わってたらおかしいですよね。次回作がどうなるのか、われわれにも全く想像ができませんから。ケータイを作るのも慎重にしないと(笑)。

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