【静岡県知事選】川勝氏が当確 大型地方選で民主4連勝
7月5日23時24分配信 産経新聞
石川嘉延前知事の辞職に伴う静岡県知事選は5日投開票され、無所属新人で元静岡文化芸術大学長の川勝平太(かわかつへいた)氏(60)=民主、社民、国民新推薦=が、前自民党参院議員の坂本由紀子(さかもとゆきこ)氏(60)=自民、公明推薦=ら新人3人を破り初当選した。今春の名古屋、さいたま、千葉の各政令市長選に続き、自民党推薦候補は大型地方選で4連敗となり、自民党内には麻生太郎首相の「退陣論」が広がりそうだ。一方、勝利した民主党は、次期衆院選に向けてさらにはずみをつけた。
川勝氏は民主や連合の要請を受け、投票日1カ月前に立候補表明した。民主党の小沢一郎代表代行は分裂選挙を回避しようと元民主党参院議員の海野徹(うんのとおる)氏(60)との一本化を目指したが不調に終わった。だが、川勝氏はその影響も受けず、無党派層や自民支持層にも広く浸透した。
坂本氏は「県民党」を掲げて「自民党色」を薄め、参院議員や同県副知事としての実績を前面に支持を訴えたが及ばなかった。
共同通信によると、支持政党別で川勝氏は民主党支持層の75・8%を固めた上で、自民党支持層からも17・4%を取り込んだ。坂本氏には自民党支持層の68・4%、公明党支持層の89・1%が投票。民主党支持層からも8・5%が流れた。
性別による支持は、川勝氏の男性44・4%、女性37・3%に対し、坂本氏は男性34・1%、女性43・3%。20代と70代以上で坂本氏が優位に立ったが、30代~60代は川勝氏への支持が多かった。
昨年9月の麻生太郎首相就任後、自民、民主両党が対決した7つの大型地方選で民主党は5勝目。自民党は2勝止まり。地域事情はあるが、民主党は今春からの4連勝で、衆院選を目前に勢いを印象付けた。
1月の山形県知事選は、民主党の支援を受けた吉村美栄子氏が、自民党の大半が応援した現職を破り初当選した。だが、3月に西松建設の違法献金事件で民主党の小沢一郎前代表の公設第1秘書が逮捕されて風向きが変わり、千葉県知事選では森田健作氏、秋田県知事選で佐竹敬久氏と与党系候補が連勝した。
4月の名古屋市長選は高い知名度を誇る民主党推薦の河村たかし氏が圧勝。5月に鳩山由紀夫氏が民主党代表に就任してからは、さいたま市長選で党県連支持の清水勇人氏が当選。6月の千葉市長選でも党推薦の熊谷俊人氏が全国最年少市長となっていた。
今月12日には東京都議選の投票が行われる。ここでも民主党が勝利すれば、麻生首相はさらに厳しい局面に追い込まれそうだ。
川勝氏は、比較経済史専門の経済学者。安倍内閣では教育再生会議の分科会主査や「美しい国づくり」企画会議の委員などを務め、有識者メンバーとして国政にかかわった。「新しい歴史教科書をつくる会」の賛同者にも名を連ねている。
【関連記事】
・ 静岡県知事選 川勝氏と坂本氏が横一線の接戦
・ 衆院選に向け“前哨戦”号砲 与野党とも正念場
・ 自民、都議選後まで「休戦」? 執行部、派閥領袖が結束呼び掛け
・ 「表立った運動控える」総裁選前倒し署名活動の自民・山本拓氏
・ 「決断できない男」役員人事・改造見送り 麻生太郎首相(68)
最終更新:7月5日23時29分
静岡県知事選 川勝氏が当確
前の知事の辞職に伴う静岡県知事選挙は、無所属の新人で、民主党、社民党、国民新党が推薦する前の静岡文化芸術大学学長の川勝平太氏の初めての当選が確実になりました。川勝氏は60歳。静岡文化芸術大学の学長を務めていました。
静岡県知事に川勝氏当選確実 民主など推薦
投票率は61%強で、前回を約17ポイント上回った。 (23:18)
静岡県知事に民主系の川勝氏 自公系の坂本氏破る
2009年7月5日23時11分
静岡県知事選は5日に投開票され、民主などが推薦する前静岡文化芸術大学長の川勝平太氏(60)が、自民、公明が推薦する元参院議員の坂本由紀子氏(60)ら3氏を破り、初当選した。麻生政権の支持率が低迷する中、東京都議選とともに「総選挙の前哨戦」として注目されたが、「静岡から政権交代を」と訴えた民主が勝利した。投票率は61.05%(前回44.49%)だった。
静岡空港の立ち木問題を巡り、4期16年務めた石川嘉延前知事が辞任したことに伴う選挙。総選挙をにらみ、自公と民主が総力をあげた選挙戦を繰り広げた。坂本氏の敗北で、自民党内では麻生首相の退陣を求める声がさらに高まりかねず、首相は窮地に追い込まれた。
川勝氏には、鳩山由紀夫代表や菅直人代表代行、岡田克也幹事長ら民主党幹部が連日応援に入り、自民対民主の構図を前面に押し出した。「政権交代のスタートをまず静岡で」と訴え、国政と知事選を連動させる選挙戦を展開した。
告示直前まで小沢代表代行が目指していた候補者一本化の失敗で、民主支持層の一部は元党参院議員の海野徹氏にも流れた。しかし、民主への追い風を確実に受け止めて、立候補表明の出遅れや知名度不足を補った。
坂本氏は自民色を消す戦術をとった。選挙戦では県民を代表する意味を込めた「県民党」を名乗るとともに、唯一の女性候補をアピール。水面下では、自民党本部から細田博之幹事長や古賀誠選挙対策委員長が静岡入りし、支援組織の引き締めなどに奔走した。しかし、無党派層への支持に広がりを欠き、党に吹く強い逆風をかわしきれなかった。
川勝氏は、早大教授、国際日本文化研究センター教授を経て静岡文化芸術大学学長。今年6月に辞職し、知事選に立候補を表明した。